【特別寄稿】

銀河から降り注ぐ恵み

転機

かつて、私はラグビーの選手として、毎日グラウンドを走り回っていた。
試合中に、周りの景色が、突然スローモーションになったときがあった。だが自分は普通のスピードで動いている。自分が走るべきラインが、光っている。周りはスローモーション……だから、落ち着いて、光っているところを走りながらプレーすることができた。
……とまぁ、高校生の男の子と女の子を前にして話を始めたところなので、つい自分の高校時代の思い出から語り始めてしまった。
スポーツの醍醐味とは、単なる勝ち負けではない。お互いに最高の状態が出せるような状況をつくって、そこで初めて、勝ち負けを超えたところで、最高の経験をすることである。
当時は、時として、上下関係が行きすぎのところがあったり、一人がミスすると全体が連帯責任で罰を受けたりしたものだが、本来はちがう。ほんとうのスポーツの意味は、べつのところにある。
当時の私はなんとなく「このままスポーツで人生が進んで行くのかな……」と思っていた。だが、脊髄損傷で人生が劇的に変わった。
すでに既刊の本にも書いてあるので詳細は省くが、「残念ながら、あなたは一生涯、下半身不随です」という宣告を受けた。

銀河から降り注ぐ恵み|ザ・フナイ2013.10Vol.73

2013/10

the_funai_1380187634_1.jpg

Share on Facebook